【氷の轍】あらすじネタバレと感想「犯人の動機&余貴美子と宮本信子の演技が悲しく切ない」

スペシャルドラマ

11月5日に直木賞作家の桜木紫乃原作のABC創立65周年記念スペシャルドラマ『氷の轍』が放送されました。

ABC創立65周年記念スペシャルドラマだけあって主演の柴咲コウを始めとした豪華キャストで、ラストは衝撃の結末を迎えました。

そんな『氷の轍』の気になる登場人物(キャスト)、あらすじ、感想をネタバレで、お届けしていきたいと思います。

 

 

『氷の轍』のあらすじ

 
北海道警釧路中央本部の大門真由(柴咲コウ)巡査長は生真面目でガードが固く打ち解けない性格から、周りからは「剣道の防具をつけた女」と言われていました。

大門真由(柴咲コウ)に母親はなく、父親は大門史郎(塩見三省)で、かつては有能な刑事でしたが、昔、捜査で知り合った女性と関係を持ち、彼女を更生させようとのめり込み、釧路に飛ばされたことに責任を感じて母親は彼女を置いて家を出て、現在は余命半年と言われて入院中です。

大門真由(柴咲コウ)は大門史郎(塩見三省)のお見舞いに行くと、自分が刑事に向いてないのではないかと父親に弱音を吐きます。

そんな中、釧路の雪原から冷凍状態で身元不明の男性が発見され、大門真由(柴咲コウ)の教育係を務める片桐周平(沢村一樹)と2人で捜査することとなりました。

捜査中をすると、身元不明の男性は偽名でホテルに宿泊していて、指紋から札幌で前科のある加藤千吉(金子達)であることが判明しました。

札幌署から加藤千吉(金子達)の30年前に起こした前科の資料が届くと、その捜査資料には、なんと大門史郎(塩見三省)の印鑑が押されていたのです。

大門真由(柴咲コウ)は加藤千吉(金子達)の妻の加藤朱美(根岸季衣)から事情を聞きますが、加藤千吉(金子達)が釧路に来ていた時には加藤朱美(根岸季衣)は札幌のスナックで働いていて「釧路から帰ったら温泉でも行こうか?少しは楽させてやれるかもしれない。」と言われていたので、何か金の当てでもあったのではないかと証言しました。

事件を捜査している中、札幌の元タクシー運転手の滝川信夫(品川徹)が海の中から見つかり、札幌から来た老人2人が不自然に亡くなっており、大門真由(柴咲コウ)は、この2人の老人につながりがあるのではないかと考え、捜査を進めることとなります。

大門真由(柴咲コウ)と片桐周平(沢村一樹)は滝川信夫(品川徹)の車が駐車されていた米澤水産の社長の米澤小百合(余貴美子)から話を聞きますが、従業員も誰も知らないと言いました。

帰り際、大門真由(柴咲コウ)は冬にスケートリンクで会う冬だけの友達とお互いを呼び合う仲の兵藤千恵子(宮本信子)にたまたま遭遇し、米澤水産で働いていることを知ります。

大門真由(柴咲コウ)と片桐周平(沢村一樹)は滝川信夫(品川徹)の自宅に向かい、家の中を捜索していると、北原白秋の詩集『白金之独楽』に「キャサリン様」と書かれており、大門史郎(塩見三省)と同じ痛み止めがあったことから、同じ病気なのではないかと推察するのでした。

そして『白金之独楽』の栞代わりに挟まれていた領収書から本屋に行くと、元々、青森の八戸に古書市にあったもので、実は滝川信夫(品川徹)が若い頃に好きな人に送った本で、それがここに流れ着き、本人の手元に巡り巡って戻ってきたものだということを店員から聞かされます。

先月、家の本を全て引き取って欲しいと言われていたことも告げられ、病院に行くと肝臓がんで治療はせずに痛みだけを止めるように言われていたことを主治医から聞かされ、タクシー会社では青森県出身であることがわかりました。

大門真由(柴咲コウ)と片桐周平(沢村一樹)は加藤朱美(根岸季衣)のスナックに行って滝川信夫(品川徹)の写真を見せると、滝川信夫(品川徹)は加藤千吉(金子達)の知り合いで、店で険悪な雰囲気になっていたことを知らされます。

一方、米澤小百合(余貴美子)は兵藤千恵子(宮本信子)の家に行って、あの夜のことを黙っていて欲しいと頼みます。

実は兵藤千恵子(宮本信子)は滝川信夫(品川徹)を刺しているのを目撃し、2人で海へ投げ捨てたのでした。

兵藤千恵子(宮本信子)はなぜあんなことになったのかを聞くと、米澤小百合(余貴美子)は昔のことで加藤千吉(金子達)にゆすられ、それを滝川信夫(品川徹)に相談したら、滝川信夫(品川徹)が加藤千吉(金子達)を始末してしまい、それから滝川信夫(品川徹)に付きまとわれるようになってしまったことを明かします。

すると兵藤千恵子(宮本信子)は米澤小百合(余貴美子)に口止めとして1000万円を融通してくれるように要求しました。

その頃、大門真由(柴咲コウ)は滝川信夫(品川徹)の自宅にあったビデオテープの中から、米澤小百合(余貴美子)が映っている映像を発見します。

任意で米澤小百合(余貴美子)を事情聴取しようとしていた時、警察署に兵藤千恵子(宮本信子)が滝川信夫(品川徹)の事件は自分がやったと自首してきました。

事情聴取では兵藤千恵子(宮本信子)が札幌で昔交際していて、釧路にいることを知って復縁を迫られ、刺したと供述し、滝川信夫(品川徹)が送ってきた手紙を見せ、加藤千吉(金子達)は滝川信夫(品川徹)がやったことを供述するも、大門真由(柴咲コウ)は「全部嘘で誰かの代わりに来たのではないですか?」と言いますが、兵藤千恵子(宮本信子)は黙秘してしまいます。

大門真由(柴咲コウ)は手紙の文面には兵藤千恵子(宮本信子)の名前がなく、宛名の封筒があれば犯人がわかると、大門真由(柴咲コウ)と片桐周平(沢村一樹)は青森県八戸市に向かい、滝川信夫(品川徹)が昔働いていた劇場にキャサリン(内田滋)という名前の人物がいることを知り、彼女を知るスナックママの愛(緑魔子)に話を聞くと、キャサリン(内田滋)には2人の娘がいることが判明しました。

2人の娘は捨てられ、それぞれ別々にもらわれていって名前もどこにいるかもわからないという。

キャサリン(内田滋)はすでに亡くなり、本名の行方佐知子という名前から、娘が兵藤千恵子(宮本信子)だということがわかり、母親に捨てられた経験を持つ大門真由(柴咲コウ)が取り調べることになりました。

取り調べで、キャサリン(内田滋)が子供を預けた相手が加藤千吉(金子達)で、好きだったキャサリン(内田滋)とも一緒になれず、その子供達を守ることもできなかった滝川信夫(品川徹)は生涯独身で、罪悪感を抱えて生きていました。

ある時、タクシーの客が偶然、加藤千吉(金子達)で、釧路で有名な水産会社の社長になっていた米澤小百合(余貴美子)をどちらかが知っていて近付いた。

そして兵藤千恵子(宮本信子)も同じく米澤小百合(余貴美子)の居場所を知り、姉だとは明かさずに米澤水産で働き始め、妹を守りたいと思って近付いた。

米澤小百合(余貴美子)は兵藤千恵子(宮本信子)が姉であることを知らず、兵藤千恵子(宮本信子)は「あの子は苦労して苦労して懸命に生きてきたんです。多くの人を雇ってみんなの生活を必死になって守ってきたんです。幸せをつかもうと薄い氷の上を怯えてもだえながら、生きてきたんです。最後は幸せになっていいでしょう。あなたは奪うんですか?私が償うって言ってるんです。あの子の罪は私の罪です。」と訴えます。

一方、米澤小百合(余貴美子)は娘の米澤歩美(吉倉あおい)の結婚式に参加し、幸せの絶頂にいましたが、そこに片桐周平(沢村一樹)が現れ、連行されてしまいます。

取り調べで米澤小百合(余貴美子)は小さい頃から何か悪いことが起こるんじゃないかと怯えて生きてきたことを告げ、兵藤千恵子(宮本信子)がなぜ身代わりになるのかがよくわからず、1000万円を持って行ったのにいないから、尚更よくわからないと不思議がりますが、大門真由(柴咲コウ)から姉であることを告げられるのでした。

米澤小百合(余貴美子)は車で移送される中、大門真由(柴咲コウ)は兵藤千恵子(宮本信子)をつないでいる縄を放すと、兵藤千恵子(宮本信子)は車を走って追いかけ、子供の頃に2人が引き離された時のことを蘇り、再び守れなかった自分を責めます。

そして大門真由(柴咲コウ)は兵藤千恵子(宮本信子)がなぜ姉だと明かさなかったのか聞くと「昔のことなんか全部忘れて欲しかったのよ。私のことも昔のことじゃない。二人デ居タレドマダ淋シ、一人ニナツタラナホ淋シ、シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、シンジツ 一人ハ堪ヘガタシ。」と言い、大門真由(柴咲コウ)は兵藤千恵子(宮本信子)にスケートリンクでずっと待っていると伝えました。

1カ月後、大門史郎(塩見三省)は亡くなり、大門真由(柴咲コウ)は1人になってしまうのでした。

 

 

キャスト

 
大門真由(柴咲コウ)

片桐周平(沢村一樹)

秋野豊(嶋田久作)

滝川信夫(品川徹)

加藤朱美(根岸季衣)

加藤千吉(金子達)

中村(岸部一徳)

大門史郎(塩見三省)

米澤小百合(余貴美子)

米澤歩美(吉倉あおい)

牧田祐一(尾崎右宗)

楢崎(上田耕一)

愛(緑魔子)

キャサリン(内田滋)

兵藤千恵子(宮本信子)

 

 

感想

 
何とも悲しく切ない話でしたね…

全くストーリーを知らない状態で見たので、こんなに切なく重い話だとは思ってもみませんでした…

それだけに見た後は、かなり心にドシーンと重いものが突き刺さった感じです。

せっかく出会えた米澤小百合(余貴美子)と兵藤千恵子(宮本信子)がまた子供の頃と同じように引き離されることになるのが、何とも切なくて、米澤小百合(余貴美子)が移送される車を追いかける兵藤千恵子(宮本信子)は涙なくしては見れませんでした。

米澤小百合(余貴美子)はなんで滝川信夫(品川徹)を始末してしまったのかと思ってましたが、最後取り調べで「小さい頃から何か悪いことが起こるんじゃないかと怯えて生きてきた。」と語り、滝川信夫(品川徹)は助けようとしていたのだけれども、米澤小百合(余貴美子)は近付いてくる滝川信夫(品川徹)に、この先悪いことが起こるのではないかと思ってやってしまったんでしょうね…

兵藤千恵子(宮本信子)が昔のことなんか全部忘れて欲しかったとはいうものの、やはり過去を全て忘れることはできず、この先悪いことが起こるのではないかと思ってしまうようになったのも子供の頃からの経験からですしね…

考えれば考えるほどに深くて切ない話でした。

そして余貴美子と宮本信子の演技が特に素晴らしかったですね!

ドラマというよりは一本の映画のような作品に仕上がっていたように思います。

 

コメント

  1. 特命係長 より:

    米澤歩美も結婚式は済んでも、殺人者の娘とわかり、結婚も破断になる。このドラマ、この点には触れていないな。

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